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作成日:2019.08.29

ハナビラタケの機能性

ハナビラタケの機能性、効果

◆βグルカンとサイレント型エストロゲン

ハナビラタケの機能性については、癌、免疫、美容、糖尿病、血液、脳関連などの分野で研究が発表されています。

その理由はキノコで最も多く含まれる食物繊維の一種βグルカンによるという報告が多く、他の成分はあまり注目されていませんでした。

しかし、2014年から当社が参加した産学官の共同研究でハナビラタケに新たな有効活性としてエストロゲン活性が発見されました。
しかもそのエストロゲン活性は細胞増殖しないサイレント型エストロゲンと呼ばれるものです。

この発見により、ハナビラタケには機能性成分βグルカンだけでなく、サイレント型エストロゲン活性が含まれることがわかり、健康や美に大きく貢献できる素材であることがわかってきました。

◆βグルカンとは

βグルカンはキノコ類などに多く含まれる不消化性の食物繊維の一種です。
免疫を活性化することは、既に多くの研究等で実証されていますが、実際のβグルカンにはβ(1→4)、β(1→6)、β(1→3) の種類が存在し、その中でもβ(1→3)【正式にはβ-(1→3)-D-グルカン】の型が免疫力を高めることが分かっています。

βグルカンは免疫力アップ

◆βグルカンの機能性

βグルカンは、消費者庁の「食品の機能性評価」事業において有効成分にも選定されています。
その科学的根拠レベル総合評価で、大麦由来βグルカンは下記の内容でB評価(機能性について肯定的な根拠がある)を得ています。
・血中コレステロールの正常化
・食後血糖値の上昇抑制機能

また、パン酵母由来βグルカンは「自然免疫の活性化」機能についてC評価(機能性について示唆的な根拠がある)を得ています。

◆ハナビラタケのβグルカン

キノコ類にβグルカンが豊富に含まれることは20世紀半ばに解明され、免疫に良い効果があると言われてきましたが、実際にはキノコの種類によって含まれるβグルカンの種類も異なっています。

ハナビラタケのβグルカンは免疫力を高めるβ-(1→3)-D-グルカン がその成分の殆どであることが、東京薬科大学の研究で解明されており、それが実際のβグルカン量の多さと相まって「ハナビラタケは免疫力が特に高い」と言われる理由になっています。

キノコよって異なるβグルカン

◆βグルカン以外の有効成分を探求

わたしたちインタートレードグループでも、ハナビラタケの生産に成功して以降、βグルカンに着目して研究を行ってきました。

しかし、2013年に行ったヒト臨床試験では補助的な試験項目から想定していなかった興味深い結果がでました。それは肌に関する改善とセロトニン数値の上昇です。

この結果はβグルカンだけでは説明ができないもので、βグルカン以外の有効成分を探求する「IT-はなびらたけプロジェクト」を開始しました。

◆ハナビラタケを遺伝子レベルで研究

「IT-はなびらたけプロジェクト」では東京女子医大、産業技術総合研究所に加わっていただくことで、細胞・分子レベルでの有効成分の探求が可能になりました。

2014年から開始した産学官共同研究でのDNAチップ試験により、ハナビラタケのエストロゲン活性を発見しました。

ハナビラタケを遺伝子レベルで研究

◆エストロゲン活性とは

エストロゲンは妊娠の準備をする役割以外に、女性らしい体形をつくる、美肌効果、神経を整える、骨を丈夫にする、悪玉コレステロールを抑えるといった役割がありますが、細胞増殖活性という作用があります。

◆エストロゲンが不足すると

エストロゲンは20代~30代にピークを迎え、40歳を超えると減少しはじめ、特に45歳~55歳のころの閉経に向けて急激に減少します。エストロゲンの急減に伴い、いわゆる更年期障害などの体調不良を引き起こします。

更年期に症状を抱えている女性は50%以上と発表されており、女性の社会進出が進む現代において、私生活や仕事などのキャリアに大きな影響を与えています。

エストロゲン分泌量の変化

◆エストロゲンを補うには

症状がひどい場合には、ホルモン補充療法などの治療が用いられることがありますが、ホルモン療法には副作用の心配もあり、慎重に行う必要があります。

なぜならば、薬でのホルモン補充は量の調整が難しく、エストロゲンが過剰な状態が逆に精神面を不安定にさせてしまったり、さらには乳がんや子宮体がんなどが表面にでやすくなる可能性があるからです。

また、他にサプリメント等で女性ホルモンを増やす方法等もありますが、細胞増殖活性等の作用があることから、使用量を制限されたりしているのが現状です。

◆ハナビラタケのエストロゲン活性

わたしたちの研究で当社のハナビラタケにはエストロゲン活性がある事が判明しました。
この物質はエストロゲンと分子構造が非常に似ており、エストロゲンと同様の作用を発揮しますが、エストロゲンのような「細胞増殖活性」が無いことが解明されています。

産総研ではこのように細胞増殖活性が無いエストロゲン様作用の事を「サイレントエストロゲン」と呼んでおり、はなびらたけは安全性が高いエストロゲン様作用を有することが証明されております。

これまでに取り組んできた研究・試験結果をご案内します。

◆これまでの研究・試験結果

研究・試験結果の一覧ページは こちらから

●産学官共同研究でのハナビラタケ研究結果
・ハナビラタケ(ITはなびらたけ)のエストロゲン活性の発見
・ハナビラタケ(ITはなびらたけ)のエストロゲン活性には細胞増殖活性がないこと
・ハナビラタケの全ゲノム情報を特定

●健康や美容に関するハナビラタケ有効性研究
・糖尿病の主要指標HbA1cへの有効性を確認
・アレルギー性疾患の主要評価項目IgE値への有効性確認
・肝機能指標γ―GTP、GOT、GPTに対して有効性確認
・神経系伝達物質セロトニン値の改善効果を確認
・肌(美容)指標への効果を確認
・色素沈着への改善効果
・毛穴スコアの改善効果

●ハナビラタケを応用した美容素材ハナビラタケエキスでの美容に関する有効性研究
・ヒトの肌におけるアミノ酸含量の増加を確認
・ヒトの肌における角質層の水分量の増加を確認
・ヒトの肌におけるシワ改善の即効性を確認
・肌のハリや弾力改善の補助に寄与する可能性の確認
・肌の免疫機能強化に関する試験結果
・肌の健やかさを取り戻す試験結果に関する試験結果の報告
・肌のコラーゲン産生促進作用に関する試験結果報告