対外からの細菌や微生物などの侵入を防ぐための免疫システムにおいてマクロファージは中心的な役割を担っていることが知られています。このためマクロファージの活性化は免疫機能強化のための重要な因子であるといえます。マクロファージは活性化されるにしたがいNO(一酸化窒素)産生量を増大することが知られています。
そこでハナビラタケエキスのマクロファージの活性化能力を検討することを目的とし、マクロファージ様細胞Raw264.7からのNO産生量を測定しました。
ハナビラタケエキス*
【細胞培養】
マウス由来マクロファージ様細胞Raw264.7(理研セルバンクより入手)を96well細胞培養プレートに5×104cells/wellとなるようにRPMI1640培地(Gibco,10%FBS含)で懸濁調製して播種し、24時間培養しました(37℃,5%CO2)。
任意濃度のハナビラタケエキスを含む新鮮なRPMI1640培地に交換し(FBS不含)、再び一晩培養を行いました。
コントロール区はハナビラタケエキスを含まない培地のみとし、LPS溶液(Sigma,L2880,Lipopolysaccharides from Escherichia coli 055:B5)を10µL/well添加した区を陽性対照区としました。
培養上澄を回収し、次のNO産生量測定操作に供しました。
※細胞生存率はCell counting kit(同仁化学)溶液を用い、マイクロプレートリーダー(BioTek社、SYNERGY HT)にて測定
【NO産生量測定】
回収した培養上澄75µLを新しい96wellプレートに移し、各ウェルにGriess試薬を75µLずつ添加しプレートシェーカーにて撹拌混合した後、室温で10分間静置しました。同時に任意濃度に調製した亜硝酸ナトリウム溶液(0~100µM)75µLをプレートに添加し、同様にしてGriess試薬を添加して室温で10分間静置しました。その後、各ウェルの550nmの吸光度を測定してNO産生量を算出しました。
※NOの酸化物である亜硝酸イオン濃度を測定することによりNO産生量を求めました。
図1にNO産生量の測定結果を、表1に細胞生存率の結果を示します。
表1及び図1より、ハナビラタケエキスによりNO産生量が増大されることが確認されました。
この結果はハナビラタケエキスにマクロファージを活性化させる能力があることを推察させます。
*ハナビラタケエキス…インタートレード・ビューティーグルカン・パウダー水溶液