フロンティア

2017/08/15

IT-はなびらたけプロジェクト

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◆研究でわかったこと

●はなびらたけにエストロゲン活性が見つかりました。
●そのエストロゲン活性は細胞増殖の作用の無いものでした。
●はなびらたけの全ゲノム情報を特定しました。

◆産学官共同研究

これまで、はなびらたけ(きのこ)業界では主成分であるβグルカンの議論が多くされてきました。 まいたけ、アガリクス、大麦や黒酵母など、βグルカンの長さや結合の種類の違いによる効果に ついてが議論の中心でした。

はなびらたけで有名になったβグルカン(1→3結合)とは高分子化学での表記法では β-(1→3)-D-グルカンと呼ばれ、免疫力を上げたり、抗がん作用、アレルギー抑制作用を示す 報告がされているβグルカンです。
ブドウ糖が連結している多糖類のことで、(1→3)はブドウ糖が連結する方向を示しています。

2013年に実施した臨床試験より前から、愛用される女性の肌の調子が良くなったなど、 βグルカンの作用だけでは説明できない点が多く、原因を追究するために、産学官での研究を開始し、 その主な原因がサイレント型エストロゲンであると定めました。

◆エストロゲン

エストロゲンは、女性ホルモンの一種で、妊娠に備えるためのホルモンであると同時に、 女性らしさを引き出す働きを持つホルモンです。

主な働きは
・乳房(乳腺)の発達を促進し、女性らしい体型をつくる
・血管を広げて血液の流れを良くする
・肌のハリを維持し美しく保つ
・脳の働きを活発にし、自律神経を安定させる
・骨を丈夫に保つ
・コレステロールや中性脂肪を抑える
・頭髪を豊かにする
などです。

エストロゲンは、20歳~30歳をピークに分泌量が減り始め、40代後半になると急速に低下します。 さらに年齢を重ねると、男性よりも女性のエストロゲン分泌量が少なくなって、 様々な障害が出るといわれています。

エストロゲンの働きをする成分をとることで、少なくなった分泌量を補うことができるため、 大豆イソフラボンなどを積極的にとられる方もいらっしゃいます。 ただし、エストロゲンの細胞を増殖する作用は、がんに対して大きなマイナス要因となることから、 国では、エストロゲンの一日の摂取量制限を設けています。

年齢を重ねるほどに、エストロゲンを摂ることで更年期障害などの症状にたいする効果が感じられるため、 悪い細胞も増殖してしまう可能性があることが問題となっていました。
この問題を解決するのがサイレントエストロゲンです。

◆サイレントエストロゲン

エストロゲンの最大の欠点である細胞増殖の活性がなく、エストロゲン作用のみを持った エストロゲン様化合物をサイレントエストロゲンといいます。本来のエストロゲンの代用として使う場合、 がん化しにくいという利点があります。年齢を重ねると、エストロゲン不足により様々な問題が発生しますが、 サイレントエストロゲンはその解決策の一つである可能性があります。
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